海のうねり

連休中に「モネ 連作の情景」を見に行った。さすがモネ、中之島美術館の建物外周を並ぶ人気っぷり。ただ列の進みは早くて30分ほどで中に入れた。 

クロード・モネは15歳から絵を描き風刺画で既に人気を得ているが、睡蓮を描き始めたのは40代から晩年の83歳頃まで。展示会では歴代の作品が並び、最後に睡蓮のエリアに着く。モネの変遷を辿るような展示になっていた。

光を強調した絵が特徴のモネ。印象派と呼ばれる少し前から、モネが光を絵に起こそうとしていると感じた。同じ風景を異なる時間で描けば色が変わる。物そのものの色は重要じゃないとでも言うようだ。

個人的に印象に残ったのは「プールヴィルの断崖」だ。所蔵は東京富士美術館。左手の奥に砂浜と崖があり、画面の下半分は海なのだが、海が手前から奥へ向かうときのうねりと自然の光が見事に描かれていて驚いた。

睡蓮まで意外と花がモチーフの作品はなかった。その代わり海や水辺を含んだ風景は多く、初めて睡蓮を見たモネがその美しさに魅了されたのも分かる気がした。

最後の展示を見終えてショップコーナーに繋がるが、そこも人が密集している。メモ帳を2冊手に取り、じりじりとポストカードのコーナーに近づく。

先ほど書いた「プールヴィルの断崖」らしきカードが見えたのでやった!と手に取るも、あれ?と疑問が湧いた。実物を見た時のうねりと光がない...。いや、よく見るとあるか...いや...。

ひょっとして別の作品だろうか。でも、もし同じ作品だった場合、これが実際に足を運んで実物を見る価値かもしれない。

ポストカードのエリアで「崖は私には響かなかったんだよな〜」と話す声が聞こえた。同じものを見ても受け取り方はいろいろだ。

帰ってからメモしていた作品名とポストカードの作品名を確認すると、同じものだった。サイズ感の違いや記憶の都合もあるかもしれないが、こんなに印象が変わることもあるのか。

ポストカードを見るたびに、会場で見たときの驚きを思い出すのだろう。

f:id:yashiba_inaho:20240511090711j:image